アニメ感想『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』

『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』は2020年に1期,2023年に2期が放送されたアニメです.原作は小説投稿サイト『小説家になろう』です.

1期だけ見たので,感想を書きます.

感想

全体的にはあまり面白いと思いませんでした.2期を見ていないのはこれが理由で,これから見る意思も今のところありません.

単調なストーリー

なぜ面白くないかと言うと,ストーリーが極めて単調だからです.序盤はメイプルも多少苦戦したり,新しい人物が登場したりとそこまで退屈しませんでしたが,途中からは全く意外性の無い展開が続きました.

個人的に印象的なのは第10~11話の炎帝ノ国戦です.炎帝ノ国は強豪ギルドであり炎帝ノ国側の描写などもされていて,普通は痛み分けの展開にするところだろうと思ったのですが,メイプルがあっさり勝ってミィの自爆攻撃にまで耐えるというのは物語として残念すぎます1.意外なほどに意外性の無い展開でした.

偶然が重なりすぎ

このように単調なストーリーになるのはゲームバランスがおかしいからだという意見を目にしました.私も多少はMMORPGを経験してきましたが,作中のVRMMO『NewWorld Online』のバランスはどう考えてもおかしいです.

メイプルたちが強力な装備やスキルを簡単に獲得しているのになぜ他のプレイヤーはそうでないのか,メイプルが獲得するスキルが互いの弱点を都合よく補い合うスキルばかりなのはなぜなのか,フォレストクインビーの指輪や歯車などのアイテムがたまたま後で必要になるというのは不自然ではないか,などなど言いたいことは山程あります.

これらの問題は別の言い方をすると偶然が重なりすぎということだと思います.そしてこれは物語全体に通しても言えることで,なんか苦しい状況になりそうだったけど偶然なんとかなりました,という展開が続くことが面白くないと私は感じました.

もちろん物語にする以上,多少の偶然があるのは当然です.しかし防振りはそれを超えていて,もはや何でもありです.

キャラクターは可愛い

メイプルやサリーをはじめ,キャラクターはみんなかわいくて作画も普通にいいし,戦闘面以外で性格に特に不快感を覚えることもありませんでした.個人的にはサリーとイズ(鍛冶屋の青髪)推しです.

関連して,頭を空っぽにして見れば面白いという意見も結構目にしました.日常シーンがメインでおまけ的に戦闘シーンが入るようなアニメはまあまあ存在する印象ですが,防振りもそうやって作られていたら私も楽しく見られていた可能性があります.

  1. 炎帝ノ国戦について,機械神を隠しておきたかったという内容の発言をメイプルがしていて,全く損していないということではないことがわかります.中盤のサリーとフレデリカのやり取りも含め,レアスキルに関する情報戦的な描写を作者が好んでいるような気がしますが,物語全体のご都合主義な展開を考えるとちぐはぐな印象を受けました. ↩︎
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