私が嫌いなものについて

本記事では,私が嫌いなものについて語ります.

「数学の本質」に関する典型的な主張

例えば以下のような主張はSNS上などで散見されます.

  • e^{\mathrm{i}\pi}=-1 は美しい
  • 円周率は \tau=2\pi で定義されるべきである

「数学の本質」を根拠にしてこのような主張をするならば,それはおかしいと思います.

一応,それぞれ簡単に私なりの理由を説明しておきます.

  • 複素指数関数の定義には正則性が不可欠で,一点だけ取り出すとその意味がなくなるから
  • どちらの記法を採用しても等価な記述ができるから

もちろん,数学の本質とは全く無関係であると理解して主張するなら,全く問題ないと思います.

専門用語の濫用

これも例を挙げてみます.

  • 悪貨は良貨を駆逐する
  • ノーフリーランチ定理

どちらも濫用されがちな言葉だと思います.

専門用語に限ったことではありませんが,比喩を用いて何かを語るときには,背後にあるアナロジーを意識しなければいけません.

例えばグレシャムの法則の主張において,なぜ悪貨が良貨を駆逐するのかといえば人々が良貨を溜め込んでしまうからであり,なぜ人々が良貨を溜め込むのかといえば実質価値と額面価値に差があるからです.あなたが今グレシャムの法則を引用して語ろうとしているものごとの背後にこれに類する構造が一切無いのなら,聞く立場からすればあなたの話を真面目に理解しようとしても無駄ということになります.

自身の言動の意味をよく考えず,自覚なく他人に迷惑をかける人

自分の言動の意味は自分が一番良くわかっていると思うかもしれませんが,私の考えは違います.

なぜかというと,ここで注目しているのは言葉や行為がもつ社会的な意味であり,受け取られ方が重要だからです.

ある人の言動から合理的に判断した結果が本人の意図と異なるということは,その人が十分思慮深くない場合によく起こります.それにより不利益が生じたときには,そういう人は得てして受け手のせいにしがちで,ますます不利益を生むことになります.

セロリ,パセリ,ふきのとう,明日葉,ところてん

セロリは独特な味が苦手です.パセリ,ふきのとう,明日葉は苦いです.ところてんは多分たれのせいです.

よく言われるように,本当においしい〇〇を食べたことがないからというやつかもしれません.セロリ以外は1回か2回しか食べたことがないです.

ふるさと納税

ふるさと納税が嫌いなのはそれが優れたシステムでないと思うからであり,利用している人はモラルが悪いとかいうことを言うつもりは一切ありません.

端的に言えば,寄付と銘打っているものの実質的には居住自治体など1の税収減でそれを賄うシステムであるというのが不条理だと思います.もちろん地方創生とか税収格差の是正とか,そういう目的があることはわかります.しかし,基本的にこういう問題は従来の制度の延長で解決すべきことだと思います.具体的には地方の産業に補助金を出すとか地方交付税交付金の配分を見直すとかいう方向性になるでしょう.それに対しふるさと納税ではこれらの問題を一切解決していないと言っても過言ではないと思います.

裁判員制度

素人同然の裁判員を参加させることによって職業裁判官のみで裁判を行うよりも公正な判断ができるとは思えません.だれが裁判員になったかによって判決が変わる裁判は最悪だと思います.職業裁判官だけでもそういうことはあるでしょうが,なるべくそうならないように精進されていると理解しています.

裁判員として出頭するよう命ぜられた方々の心労も,想像するに余りあるものです.人を裁くことに抵抗のある人はある程度いるでしょう.

一般的な記事の体裁を取りながら実際は自社製品の宣伝を目的とする記事

「○○ツールのおすすめ○選」などのタイトルで,検索でよく出てくる記事のことです.

私は,似たような目的のツールがたくさんある場合には人気なものを使っておきたいと思う人間なので,こういう記事をよく見ます.中にはツールを開発している企業自身が出している記事もありますが,明らかに自社製品の宣伝が目的で全然参考にならないものが結構あります.中身をある程度見てみないとこのあたりの判別は難しいので,かなり不快な気持ちになります.

  1. 地方交付税交付金の交付団体かどうかとかワンストップ特例制度の有無とかによって各自治体や国の負担割合が変わることは認識しています. ↩︎
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