本記事では牧瀬紅莉栖について語ります.当然ですが,たくさんネタバレがあります.あと,基本的にAmadeusも紅莉栖として扱います.
牧瀬紅莉栖はSTEINS;GATEの登場人物であり,あらゆる創作物において私が最も好きなキャラクターの一人でもあります.私が思うに,牧瀬紅莉栖の魅力は3つに大別できます.賢さ,自己犠牲の精神,そしてかわいさです.
まず賢さについて説明します.紅莉栖はその設定上,飛び級でヴィクトル・コンドリア大学に入学したり科学雑誌に論文を通したりと,よくわかりませんが学力が極めて高いことは間違いなさそうです.しかし学力の高さが彼女の魅力であると言いたいわけではないです.
私が注目しているのは,紅莉栖の洞察力の高さです.例えば,岡部が最初にまゆりの死を確認した直後にタイムリープをしたとき,彼女だけが岡部が世界線を移動してきたことに気付いて電話をかけてきました.紅莉栖の主観では,タイムリープマシンを完成させた直後に岡部が何やら血相を変えてラボを飛び出していったという感じだと思いますが,そこから岡部がタイムリープしてきたと確信できるのは凄いと思います.
まゆりの死とタイムリープマシン絡みでもう一つ似たような場面があります.何度タイムリープをしてもまゆりを救えず歩道橋で項垂れている岡部を励まし,次のタイムリープで最初から紅莉栖に協力を求めるようにさせる場面です.最初と最後という岡部が最も冷静でないときにちょうど紅莉栖が助けてくれるというのが,ぐっと来ます.
次に自己犠牲の精神について説明します.STEINS;GATE及びSTEINS;GATE 0で描かれる重要な世界線移動において,紅莉栖は他者と世界のために,自身の存在そのものを自ら進んで犠牲にしています1.
STEINS;GATEで主に描かれるα世界線は,紅莉栖が生きていてまゆりが死に,未来はディストピアが確定している世界です.β世界線に移動してこれを防ぐため,ラボメンたちは努力します.一方でβ世界線は紅莉栖が死ぬ世界であり,紅莉栖もそれを認識していながら,まゆりと世界を救うために全面的に協力するのです.
続編にあたるSTEINS;GATE 0で描かれるβ世界線では,紅莉栖は物語開始前に死んでAmadeusという人工知能に記憶が引き継がれています.β世界線ではまゆりは死なないし未来もディストピアにならないものの,なんとAmadeusに残された紅莉栖の記憶が引き金となって第三次世界大戦が勃発してしまいます.これを防ぎ「シュタインズ・ゲート世界線」へ行くため2に,Amadeusは自身のデータを完全に削除することを自ら提案し,葛藤する岡部を根気強く説得し,実行へと導きます.
このように,STEINS;GATE及びSTEINS;GATE 0のストーリーは紅莉栖の自己犠牲によって成り立っていると言っても過言ではありません.もちろん実際は不安を零すこともたまにあり,実はかなり気にしているということだと思いますが,それでもやっぱりやめるとはならないのがまたいいところです.
最後にかわいさについては,ただ単に「かわいいからかわいい」ということではなくて,上記の魅力に裏打ちされたかわいさこそが紅莉栖のさらなる魅力となっていると感じます.これはいろいろ説明しても意味が薄く面倒だと思うので,説明しないでおきます.
以上で終わります.ここまで読んでくださりありがとうございました.